紡ぎ手マルイン
お前は来ないんじゃないかと思い始めたところだ。アラニアスの話は始めてしまったよ
[1 - さまよえる王から探すように言われた]
ああ。分かっている。お前をずっと待っていたんだ。この物語で語られる現在… そして過去にもお前が必要なんだ
ずいぶん時間がかかったな。まあ、お前のせいじゃないのは分かってる。諦めるにはまだ早い!
[1 - 何を言ってるんだ? アラニアスはどこだ?]
物語の中だ。彼女を助けるために、お前も物語の中に入らなければならない
[分かった、やろう ]
アラニアスはさまよえる王に会いたがっている。私は彼の門番だ。彼に会うには、私に礼儀正しく頼め。そうしたら物語を話してやる。お前が出てくる物語だ
[1 - つまり、彼女は物語の中にいるってことか?]
そうだ。物語は彼女自身の過去に関するものだ。しかし彼女はそうした出来事の数々が、自分にとって初めての経験であると信じ込んでいる
君は現実には存在しなかった、彼女の親友の役を演じることになる。彼女が信頼できる者、アラニアスがなっていく人格を変えることができる存在だ
[1 - 分かった。じゃあ、物語の中に入れてくれ]
礼儀正しく頼んでくれ
[1 - アラニアスの物語に参加させてくれますか?]
もちろんだ!
さあ、暖炉のそばに座って。暖かい炎がそこにあると想像してごらん。そうしたら私が情景を設定するから
火の側に座って、物語を聞く準備ができたら教えてくれ。いいか、礼儀正しくだぞ
[1 - <火を見つめる>]
炎が大海原の波だと思ってみたまえ
[1 - <炎をじっと見る>]
サマーセットの海岸から離れたところ、澄んだ青い海に立つ、冷たい波だ
[1 - <火に集中する>]
そして、一つの島を思い描くんだ。木々は陽光の中で揺らめき、海の波はゆっくりとうねり、そのたびにきらめいて見える
この島の石や木の根、花の多くはマジカによって形作られていた。今も生きている者の中では、ただ2人のアルトマーだけがそんな力を持っている
[1 - <火に集中し続ける>]
その2人のアルトマーのうちの一人が、屋敷の外に立っている。島の屋敷。彼女の島だ
彼女のところへ行くといい。彼女の友達になるんだ
[1 - <物語の中に入る>]
紡ぎ手マルイン の囁き: シラタル島だ
アラニアス
来てくれて嬉しい! 両親は今夜帰ってくる。あの人達とまた一人で対面するかと思うと怖かったの
[1 - 何が起こっているのかわからないんだが]
だから早く来てって言ったんじゃない。これから何が起こるのか、私にも分からない。あの人たちが戻ってくるまで、私は楽しい気分でいたいの。私たちの好きだった場所に行きましょうよ
[1 - 私のことを覚えているのか?]
覚えてないわけないでしょ? 一緒に育ったみたいなものなんだから。最近私が信頼できるのは、あなたくらいよ
[1 - ブランブルブリーチについては何も覚えていないのか?]
ブランブルブリーチ? 両親が私の力を見てから、一度もシラタルの外に出ることを許してくれてないの。知ってるでしょ。見たいものがいっぱいあるのに…
ブランブルブリーチで何があったの?
[1 - 今それは重要じゃない。なぜ両親はここに置いていった?]
二人とも怖がってるのよ。他のみんなと同じようにね。私が海の下から地面を持ちあげて、あの船を壊してしまった時… 誰もケガしなかったのに、二人とも私の魔法は危険すぎるって言った。私を怖がらないのはあなただけ
あなた… 怖がってないわよね?
[1 - もちろん怖くなんかない]
それが私にとってどんなに嬉しいか、あなたには分からないでしょうね。さあ、まず何をする? そうだ、灯台まで競争しましょう。小さい頃やったみたいに。今度も私が勝つわよ!
アラニアス
悪くないわね。かなり速いわ
[1 - ブドウのつるで足を縛った?]
かもね。私はずっと、大地と特別な繋がりを持って生きて来た。時々、私の意思ではないのに何かが起こるの。自然にそうなってしまうのよ
[1 - それはズルい]
ごめんなさい、どうしようもないの
待って。何かおかしいわ。あなたも感じる? 大地が痛みを感じ、熱く燃えている。見て! 農場が燃えているわ!
[1 - 農場はどこか?]
高台の向こうよ。待って。足音、大人数ね。両親が戻るにしては早すぎる。この音は、ブーツか…
シラタルに侵入者がいる。止めなくちゃ!こんなことをするなんて! 彼らを追い出さないと!
アラニアス : 奴らに見せてやる。この島は誰の攻撃も受けないってことを
アラニアス
彼らは農場に何をしたの? なぜこんなことを? 獣め!
[1 - 彼らはどこから来た?]
それが何なの? うんざりなのよ! みんなが私を傷つけ、利用しようとする。それももう終わりよ!
父と母が私の力を試そうとした時、どこにいたの? 一番側にいてほしかった時に? 私のことを見捨てたじゃない! どうしてここにいるの? あなたも私を利用したいの?
[1 - 力になりたいだけだ]
ご… ごめんなさい。両親がいなくなって、とても寂しかったの。あなたを見つけられなかった。人が次々とやって来たわ。攻撃したり、追ってきたりして、私の力を試そうとするの。まるでサーカスの動物や、ペットか何かのようだった!
あなたに八つ当たりするべきじゃないわね
[1 - そんなに動揺していたとは知らなかった]
違うの、あなたのせいじゃない。ありがとう、悪党どもはそんなに危害を加えていない。全てを破壊された可能性だってあったのよ!
もう暗くなってきたわね。両親が戻る前に片づけないと。あとで家で会いましょう
紡ぎ手マルイン : 来てくれ! もう一度話をせねば
紡ぎ手マルイン
彼女の話によるとアラニアスは気まぐれで、怒り、恥、希望のはざまで揺れていたようだ。彼女の能力のせいで両親には怖がられ、盗賊に一人で立ち向かった
これによって、彼女は他人に対して辛く当たり、冷たくなった。外部の影響に弱くなったのだ
[1 - 何があった?]
それはこのあと、自分の目で見るといい
だがその前に、アラニアスの過去から、もう一つ別の場面を見てくれ。彼女はもう少し若く、気づいたばかりの能力にワクワクしていた
[2 - 彼女は、ブランブルブリーチについて何も覚えていない]
もちろんさ。彼女にとっては、まだ起きていないことなんだから。いいか、彼女の過去に君を送りこんだのは、彼女が最も不安定だった時期に手助けするのが目的だ。ついさっき彼女が君に食ってかかったのも、両親と喧嘩ができないからなんだよ
彼女は君を信頼している。それが何よりも大切だ
[1 - 彼女の過去をもっと見よう]
インドラセル : どうして服がびしょ濡れなの?
アラニアス : 母さん! この木をどう思う? 今母さんが立っている島のことは?
インドラセル : 地面が濡れてる。すぐに新しい靴が必要になるわね
アラニアス : 私がやったの!
インドラセル : 何ですって? あなたが地面を水浸しに?
アラニアス : 島よ。私がこの小さな島を作ったの!
ロリミル : 何だって、アラ? お前が作ったって、どういうことだ?
アラニアス : 木々も地盤も、何一つ昨日はなかった。地面が濡れているのは、私の魔法で海の底から地面を押し上げたからよ
インドラセル : え、ちょっと。一体何をしでかしたの?
紡ぎ手マルイン
アラニアスは珍しい強力な能力を授かったが、両親の愛情を得ようと無駄な努力をしている
[1 - それでどうなった?]
焦る気持ちも分かるが、注目してほしいのは主に2つの出来事だ
一つめは、灯台の上。もう一つは、邸宅の大広間。それらの出来事は、悩みを抱える彼女のことを理解する役に立つのではないかと願っている
[1 - すべきことはそれだけか? 彼女を理解すること?]
違う。本当の課題は、その次だ。アラニアスは君を必要としている。彼女の両親は農場が襲撃を受けた後、娘の助けとなりそうな人々を連れて戻って来たんだ。ベールの継承者だよ
彼女はこれに、一人きりで立ち向かうべきではない
[1 - 彼女はどこに?]
邸宅で着替えているよ。さっき話した場面を見た後、君も着替えたほうがいい
大広間の脇にある客室に、君の着替えが置いてある。着替えが済んだら、庭園にいるアラニアスに会ってくれ
アラニアスを助けたいのなら、彼女だけでベールの継承者に会わせてはいけない
灯台に行ったら、その後邸宅へ行って彼女の過去を見るんだ。それまでには、彼女も庭で待っているだろう
アラニアス : ごめんなさい!
インドラセル : 彼らの命が助かっただけ良かったわよ! あと何隻船を沈めるつもりなの?
アラニアス : 事故だったの
インドラセル : 事故っていうのは、水がこぼれることやグラスが落ちることを言うの。あなたは船を海から岩の壁に押し上げたのよ!
アラニアス : そんなつもりじゃなかったの。本当にごめんなさい
ロリミル : 母さんと私で、お前に与える罰を話し合う。さあ、もう行け!
インドラセル : 私たち、朝にはサマーセットに発つわ
アラニアス : もう二度としない、約束する。もっと頑張るから。置いてかないで!
インドラセル : 卑屈になるのはやめなさい。似合わないわ。あなたの感情を制御するため、助けを連れて戻ってくるから
アラニアス 話: どれだけ謝ったらいいの? 本当にごめんなさい
ロリミル : 違う、アラ。お前にはただ… 訓練が必要なんだ。船のことで、みんなが怖がっている
アラニアス : どんな訓練なの? 父さん