ヘルイン
戻るんだ。そっちには悪い兆しがある。ロングヘヴンでは空気でさえそちらに行こうとしないよ
[1 - どういう意味だ?]
湿原は危険な場所だ。いつも深い霧に包まれている。だが湿原に慣れ親しんでいる私達にとっては庭のようなものだ。しかし最近、霧の中に入った人々が行方不明になっているのだ。きっとそのうち変わり果てた姿で見つかるだろう。引き裂かれて血を抜かれているに違いない
[原因は何だと思う? ]
こういったことが起こると、人々は無鉄砲な功名心で原因を突き止めようとする。私は見て見ぬ振りをして、マーブルクかウッドハースで平穏な生活を送るつもりだ
だが興味があるのなら、街の小屋にいるブレデュインと話してみてくれ。彼は街を離れるつもりはないらしい。間抜けな奴だ
[ブレデュインと話そう ]
好きにしろ。私は行く。あそこには何か異常なものがある。奇妙な霧のようなものだ…
どちらにしろ、腹を満たす酒と、ふかふかの寝床を求めてウッドハースへ行く
ブレデュイン
ロングヘヴンへようこそ。この霧の問題が出てくるまではもっと活気のある場所だった。だからって、もてなしが乏しい言い訳にはならないな
[1 - 霧の問題か?]
何週間か前に始まったんだ。そう… 霧に異変が起きて… 不気味な色になってしまってからだ
[1 - 何があった?]
俺が知っているのは自分の目で見たことだけだ。狩人たちがただ弓を捨てて、魔法にかけられたみたいに無防備のまま湿地をうろつくんだ。そして後になって、彼らの死体というか、残った部分が出てくる… 説明できないよ
ただ…
[1 - ただ、何だ?]
君のような放浪者が一人… 強情なダンマーなんだが、そいつがここを通っていったんだ。物資を買い込んで、まっすぐ湿地に向かっていった。俺の警告に耳も貸さずに。何かを知っているみたいだった
あんたがこの謎を解明したいとして、俺ならあのダンマーを探すことから始めるね
[1 - そこにいたのか?]
いいや。狩人たちだけだ。俺はクランの仕事と村の管理を担当している。アルドメリ・ドミニオンが結成されるまでは、もっと単純な仕事だった。ヴァレンウッドは変わりつつある。そこに住まう民も一緒にな。俺は必要な調整事項に対応するので、日々時間に追われているよ
[1 - そのダンマーの訪問者について、もっと教えてくれないか?]
彼は来たと思ったらすぐにいなくなった。戦闘用の装備をしていたが、冒険者には特に珍しいことじゃない。だが、あいつは自分の目的を知ってて、誰にも邪魔はさせないって感じの歩き方だったよ
[2 - 霧の中に入っていって、戻ってきた者はいるのか?]
奇妙なことだが、何人もいる。全員、これまでにはなかった変な感覚と、あの地域で敵対的な猛獣が明らかに増加していることを報告したが、それを別にすれば、無傷で戻ってきた
これが何かの呪文の仕業だとしたら、その耐性には個人差があるのかもしれないな
あのダンマーが走り去る前に話ができるといいんだが。彼はこれについて何を知っていると思う?
メル・アドリス
立ち去れ。敵と戦いになる前に、祈りを捧げて魂を浄化する
[1 - なぜこんなところに来たんだ?]
私はもう幾晩もかけて獲物を追っている。冒涜の吸血鬼をな。遠からずこの世界から消し去られることになるだろう。奴は一人だと思っていたが、今この場所を見ると、近くに隠れ家があると考えるべきかもしれん。連中の忌まわしき巣にこの私を連れてきたことを、奴は後悔するだろう
[1 - この奇妙な霧の原因はそれだろうか?]
私はこれまで奴らを狩り続けてきたが、このような魔法は目にしたことがない。奴らに触れられているような感じがある。一歩進むごとに、私の意志が試されているような感覚だ
だが、くじけるわけにはいかん。あの怪物どもと対決し、全てを灰塵と化さねばならんのだ
[1 - 一緒に行かせてくれ]
恐れを知らぬのか。勇気か、それとも愚かしい未熟さか? いつ魅入られてしまうかわからぬような者を信用するわけにはいかん
お前がこの悪しき魔法に逆らえる意志を持っているかどうか、私に証明してみせろ。ここから東にある、丘を上がったところの隠れ家まで来るのだ。それができたら、考えてもいい
この霧の中を進んで来たのか。思ったよりも意志が強いな
[1 - こいつは何者だ?]
吸血鬼のクズだ。ろくに戦いもせず膝をつき、〈命〉とかいうものを乞うている。ここまで弱いとは思わなかったぞ
今、こいつにとどめを刺すところだ。そこをどいてくれるならな
[1 - 追っていたのはこいつか?]
まさか。この情けなき者には斬る価値すらないほどだ
私がここまで追ってきたのはフェニールと名乗る奴だ。このウジ虫よりもはるかに手強い相手なのは間違いない。もうすぐ奴に会えるだろう。奴とその仲間は一人も生かしておかん
[1 - こいつは何か役に立つ情報を持っているかもしれない。まずは私にこいつと話をさせて欲しい]
好きにしろ。いずれにせよこいつはこの世から消滅する。それが一瞬早いか遅いかの違いでしかない
気をつけるがいい。吸血鬼は言葉を縦横に操り、人を欺こうとする。奴が何を言っても、耳を貸してはならん
ガディナス
寛容だな! ダークエルフは耳を貸さないが、お前は聞いてくれるんだな?
我々は違う! こんなことは望んでいなかった!
[1 - どういう意味だ?]
人に隠れて生活してきたんだ。生きてる人間は食わなかった! 猛獣やホーヴァーが襲った狩人の血がいくらでもあるから、俺たちはそれで腹を満たしてたんだ。誰も殺しちゃいなかったんだよ。それが自然な生き方だった。あの男が来るまでは
[1 - あの男?]
ベールを被った男だよ。たぶんアルトマーだ。同盟を求めていた。力を約束すると言った。もう隠れる必要はないと俺たちに言ったんだ
クランの他のみんなは同意した。あの男は古代の吸血鬼の頭蓋骨を使った儀式をみんなに教えた。数えきれないほどの奴隷ができると言っていた
[1 - この魔法を止める方法を教えろ]
〈頭蓋骨〉はこの洞窟の奥に置かれている。その呪いが染みだして、俺たちの周りにある霧に入り込んでいるんだ。頭蓋骨を破壊すれば、魔法も消えるよ
こんなことは初めから嫌だったんだ。俺の命を救ってくれれば、他のみんなを味方につけられる。あんたたちの役に立つよ!
[1 - ベールを被った男の申し出を受け入れた連中の中に、フェニールはいたか?]
ああ。彼はアスラデル、ラスリエルと並んで最も熱心な支持者だった。あいつらがベールの男と話しているのをよく見たよ。俺の言うことなんか、あいつらはまったく聞かなかった。〈頭蓋骨〉までたどり着くには、あいつらを何とかしなくちゃならないだろう
なあ、頼むよ。俺を見逃してくれ
このイカれたダンマーをどうにかしてくれ! 殺さなきゃいけない奴もいるだろうが、傷つけずに人々と共存したい連中もいるんだ。我々と同盟した方がいいんじゃないか?