2016年9月19日月曜日

避難所



預言者 : そこか。慌てるな。俺が見えるのはお前だけだ。来い。話すことがある

預言者
そこか、〈面影〉よ。すぐに話そう
 [1 - なんの話だ]
よく聞け。安全な場所を見つけた。そこで会おう
 [1 - その安全な隠れ場所はどこだ?]
俺は息が詰まる灰と闘争の音で目覚めた。ここはダボンズ・ウォッチ。ダークエルフの故郷であるモロウウィンドにある街だ
街外れの西、崖の遺跡に〈避難所〉がある。そこで会おう
 [1 - すぐに向かおう]




預言者 : 聞き覚えのある足音だ。来い、〈面影〉よ

預言者
〈避難所〉へようこそ。俺のような老いぼれには、我が家のように快適だ
 [1 - ここをどうやって見つけた?]
眼は見えぬが… 見えぬからこそ、他の感覚が研ぎ澄まされる。ここは、におうのだ
 [1 - コールドハーバーで最初に現れたとき、運命について話していた]
その通り。だが結末はわからん。どこに縛られているのか理解せねば、道を進んでもどこにも辿り着けない。終着点を本当の意味で理解する前に、過去について話す必要がある
 [1 - 歴史の授業か?]
ある意味ではな。俺の心に入り、共に過去の光景を歩むのだ。我等をこの時代、この瞬間に連れてきた出来事を理解できるだろう


 預言者 : 俺の意識に入るんだ、〈面影〉よ。そして過去の影を共に歩め


預言者
ついて来い、〈面影〉。危機をひき起こした出来事について学ぶのだ
俺の物語は、聖蚕会大修道院の階段で始まる。それ以前の記憶はなくしていた
聖蚕の僧侶達は俺を哀れみ、信徒に迎え入れたのだ。俺は衰弱しきっていた
そこで〈星霜の書〉を初めて目にし、研究に全てを捧げた
〈星霜の書〉によって俺は現実の本質そのものを垣間見ることができたが、ついには完全に光が失われた

預言者
〈星霜の書〉の預言は一定しておらん。定まっていないのだ。歴史の多くのページで、英雄的な定命の者の行動は書きかえられた
 [1 - こちらと何の関係があるんだ?]
俺に分かるのは、お前が重要だということだけだ。〈星霜の書〉は、お前の運命が、選ばれし5人と絡み合っていると告げている
 [1 - 選ばれし5人とは何者だ?]
選ばれし5人は冒険者の集団で、王者のアミュレットと呼ばれる古代の秘宝を探していた。彼らはこの秘宝を使い、自分達の指導者がドラゴンボーンであると竜神アカトシュに認めさせたがっていた
 [1 - ドラゴンボーン?]
ドラゴンボーンは偉大なる運命を持った定命の者。その体にはドラゴンの血が流れている。本物のドラゴンボーンだけが、帝都の永遠のドラゴンファイアに点火できると言われている
 [1 - リーダーとは誰だ?]
ヴァレン・アクィラリオス… コロヴィア人公爵の息子で、レオヴィック皇帝に対する反乱軍を率い、自ら帝位を奪った。しかし、ヴァレンは本物のドラゴンボーンではなかった。伝統によれば、ルビーの玉座に座る者は正統なドラゴンボーンでなければならなかった
 [2 - 続けてくれ]
眼の見えぬ愚かな老いぼれの御託は十分に聞いただろう。自分で選ばれし5人に会い、その運命を見るのだ


預言者
最初の仲間はリリス・ティタンボーン。巨人族で、皇帝に仕える最も勇敢な戦士だ
次はアブナー・サルン。強大な力を持つソーサラーであり帝国元老院議長でもある
レッドガードのソードマスター、サイ・サハーン、帝国のドラゴンガードのリーダーだ
帝国皇帝ヴァレン・アクィラリオス。ドラゴンファイアを灯そうとして失敗した
そして最後に、裏切り者マニマルコ。〈虫の王〉だ。強大な力を持つ死霊術師であり、お前を処刑したのも奴だ

預言者
〈選ばれし5人〉は、ニルンを人の手に取り戻すために、失われし王者のアミュレットを取り戻すために、帝都を発ったのだ
 [1 - 王者のアミュレットで、ヴァレンはどうやってドラゴンボーンになるんだ?]
マニマルコはヴァレンを、「アミュレットはドラゴンファイアを再点火する儀式に使える」と説得した。アカトシュは喜び、ヴァレンをドラゴンボーンと認めるだろうとマニマルコは言ったのだ
 [1 - なぜヴァレンはドラゴンボーンになりたかったんだ?]
伝統的に、ドラゴンボーンだけがルビーの玉座の権利を主張し、神に選ばれし真の皇帝として支配できるとされている。ヴァレンはシロディールを征服し玉座を奪ったが、ドラゴンボーンにならなければ偽者と思われると常に危惧していた
 [1 - 他の仲間について教えてくれ]
選ばれし5人は各々、力量と勇気で選ばれ、各々が集団の中で果たすべき特別な役割を与えられている。誰について知りたい?
 [1 - リリス・ティタンボーンについて教えてくれ]
リリスにはもう会ったな。彼女はノルドの戦士で、北方のスカイリムの氷で覆われた土地の出身だ。彼女の家は巨人の血を引いていると言われている。ヴァレンはその強さと忠誠心から、彼女を個人的な護衛に任じた
 [1 - サイ・サハーンについて教えてくれ]
サイ・サハーンはレッドガードのソードマスターを輩出する家の出身だ。彼はヴァレンと元老院の警護を行うドラゴンガードのリーダーだ。リリスがヴァレンの護衛であるのに対し、サイは全体を守る
 [2 - アブナー・サルンについて教えてくれ]
サルン家はシロディールで最も影響力のある名家の一つだ。当主のアブナーは元老院議長で、強力な魔闘士にして敏腕な為政者だ。彼の助言を得て、ヴァレンは何年も前に帝国の玉座を奪った
 [3 - 3人についてはもう十分聞いた。マニマルコはどうだ?]
マニマルコは裏切り者だが、手強い。俺の知る最強の死霊術師だ。奴の〈虫の教団〉はタムリエルの端々に潜入して、人々を腐敗させる。お前がここで目にする儀式を執り行うよう、ヴァレンを説得したのは奴なのだ
 [1 - 彼らが儀式を執り行うとどうなる?]
災厄、戦争、疫病。世界は屈服する。さあ見ろ。一人の男の傲慢が、世界がかつて経験したことのない脅威を引き起こすところを


ヴァレン・アクィラリオス : これがドラゴンファイアのかがり火か。マニマルコ、確かに機能するんだな?
マニマルコ : もちろんです、〈あるじ〉よ。王者のアミュレットは再びドラゴンファイアを灯し、皇帝の正当な地位を確実とするでしょう。お約束します
リリス・ティタンボーン : マニマルコ、機能しなければ、あたしの斧があんたの首を飛ばすわよ
アブナー・サルン : ハーフジャイアントに口輪を掛けませんか? 忌々しい奴です
サイ・サハーン : いい加減にしろ! 陛下の正当性を確固たるものにすべく、我々はここに居るのだ
ヴァレン・アクィラリオス : アブナー、儀式を始めよ。俺には全うすべき宿命がある
ヴァレン・アクィラリオス : ドラゴンファイアの点火により、ここに正当な血を主張する! 我を生まれ変わらせたまえ! アカトシュの意志において、宣言する。我こそがドラゴンボーンなり!


マニマルコ : ヴァレンよ、お前はアレッシアの後継者ではない! 冒涜の対価を払うのだ! タムリエルとオブリビオンを分かつベールは引き裂かれた!
アブナー・サルン : 何が起きてる? 空が開き始めた! これはまずい! かなりまずい!
ヴァレン・アクィラリオス : こんなことが起こるはずはなかった! これはどういうことだ? マニマルコ、何をした?
マニマルコ : 愚か者どもめ! 二つの世界を分かつベールは引き裂かれた! 我が〈あるじ〉モラグ・バルは、いつでもタムリエルを手中にできるのだ!
ヴァレン・アクィラリオス : アカトシュよ! お許しを! 我等の魂にお慈悲を!

預言者
ニルンとオブリビオンを分かつベールは、儀式により引き裂かれ、マニマルコが魂を奪うことが可能となった。奴の主がアンカーに力を注ぎ、〈次元融合〉を引き起こすために必要な大量の魂をだ
 [1 - 何があった?]
アカトシュは、ニルンとの盟約の象徴として、アレッシアに王者のアミュレットを渡した。アミュレットがアレッシアの後継者の手にあり、ドラゴンファイアが輝く限り、タムリエルはデイドラから守られる
 [1 - それでどうなった?]
マニマルコがヴァレンを罠にかけ盟約を破らせたのだ。オブリビオンとニルンを分かつベールが引き裂かれた。〈星霜の書〉はこれをソウルバーストと名づけた。これでモラグ・バルは、ニルン中の魂を宿主から切り離す機会を得たのだ
 [1 - 他の仲間はどうした?]
ヴァレンは行方不明だ。混乱に陥った時に、サイ・サハーンは王者のアミュレットを奪い、逃げた。リリスはマニマルコに捕らえられ、モラグ・バルの居城たるコールドハーバーに送られたのだ
 [1 - アブナー・サルンとマニマルコはどうした?]
サルンは元老院議長の地位に留まり、娘のクリビアが女帝摂政として実権を握っている。だが真の権力は、未だマニマルコと〈虫の教団〉の手中にある
 [1 - どうしてコールドハーバーに送られた?]
選ばれし5人の真実を知った時、俺はそれとなく質問をした。しかしそれとなさが足りなかったようだな。マニマルコは俺の疑念を察知し、俺をコールドハーバーに連れ去った。お前に解放されるまで幽閉されていた
 [1 - 脅威と見なされたのか?]
悪人にとって真実は常に脅威だ。マニマルコは裏切りの暴露を恐れていた。ニルンの脆弱性に関する知識が漏れれば、彼のあるじの計画が危うくなる。モラグ・バルは万全を期すからな
一緒に来てくれ


預言者
王者のアミュレットをアレッシアの後継者達が身に着けていた頃の記録だ。タムリエルはオブリビオンから守られていた。しかし、〈ソウルバースト〉は二つの世界のベールを引き裂き、モラグ・バルに機会を与えたのだ
モラグ・バルのダークアンカーはベールを貫き、ニルンをコールドハーバーの深淵へと引き込む。この破滅の元凶は、タムリエルの至る処に出現しているのだ
残虐と支配の王が事を成せば、かの者は我等の世界と自身の世界を〈次元融合〉させるだろう。その試練を生き抜く者はごく僅か。そして、その者達は未来永劫かの者の奴隷となるのだ

預言者
つまり我等次第なのだ。モラグ・バルと奴のダークアンカーを止めなければ、世界の命数は尽きる
そして今、歴史が動こうとしている。〈避難所〉に戻ろう
 [1 - ああ、戻る準備はできている]
好きにしろ


預言者
さあ、始まりだ。物語の先は書かれていない。ここからはお前が物語だ
 [1 - いろいろ考えさせてもらった]
成すべきことが数多くある。だが覚えておけ… この道を孤独に歩む必要はない
 [1 - で、次は何をする]
我等は力も数も増やさねばならん。歴史のページを書き換えるには眼も見えぬ年寄り以外に同志が必要だ。我等自身の同志を集めなければな。一人目には出会ったがね
 [1 - リリス・ティタンボーンか?]
リリスは自身を犠牲にして我等を逃がしたのだ。彼女は未だコールドハーバーの囚人だ。救出するには正確な位置を割り出す必要がある。それには多くの時間が必要だ
 [1 - その間、何をすればいい?]
マニマルコの密偵どもが、世の端々に〈嘘と欺瞞の網〉を張り巡らせている。タムリエルの種族を互いに争わせ、真の脅威から目を逸らしているのだ。密偵をあぶり出せ。奴らの〈網〉を暴くのだ
 [1 - できるだけのことはしよう]
すまん。お前を心に導いたことで体力を消耗した。休息が必要だ。時が来たら知らせよう。それまで光の中を歩むのだ、〈面影〉よ      
さあ行け。俺には休息と瞑想が必要だ。時が来れば連絡する